第33章

いよいよ決勝戦の日だ。今日こそ作品の中から真の勝者が選ばれる。複数のテレビ局が放映権を購入し、業界の大物たちが審査員として前列に座り、多数のカメラが舞台中央に向けられている。まさに万人の注目を集める場となっていた。

イブニングドレスに身を包んだ司会者がスポットライトの下に立った。

「ご来場の皆様、選手の皆様、幾重もの選考を経て、十名の選手が最終決戦に進出しました。本日、この十名の中から最終的な優勝者が選ばれます。どうぞご期待ください！」

一斉の歓声が上がった後、舞台上に照明が点き、床下から台が徐々に上昇してきた。その上には十点の絵画が置かれ、幕で覆われていた。最後の緊張感を残すためだ。...